【プリンス】ファントムＦ１基本情報・試打レビュー

フラット系スピードボールで勝負する攻撃型プレーヤー向けモデル。

空気抵抗を抑えながら面剛性を最大限に向上させるディンプルフレームにTeXtreme x Twaron+ATSを搭載したＣTS形状のフレームはボールにパワーを集中させスピードボールを生み出します。18/18の新ストリングパターンが好打球感とストリングスの高耐久を実現させます。

メーカーカタログより

その①

フレームフェース部（トップ部のグロメットも含む）の表面が凸凹した形状（ディンプル形状）しています。これにより空気抵抗が軽減され振りぬきが良くなるとの事。（このディンプル形状はゴルフボールと同じ構造でゴルフボールはこのディンプル形状であるためあれだけの飛距離が出るらしく、もし表面がツルッとしていれば空気抵抗を受けあれだけの飛距離が出ないそうです。）

他にはない特徴のこのフレーム、実際にボールを打つとどう感じるか楽しみです。

その②

グロメットホールが全体的に大きめ。近年よく見るこの大きなグロメットホール、これによりストリングの可動域が大きくなり、球持ちが長く、スピンもかけやすく打球感も柔らかく（振動が少なく感じる）なり、フレーム自体の硬さを和らげる効果があります。

その③

他では見ないストリングパターン18/18と縦糸横糸が同本数ということ。これによりやや面圧が高くなり低い軌道で飛んでくれそうです。ボレーやサーブにどう影響するか楽しみです。

フェース部のディンプル形状のおかげで振り抜きはよく、フォロースイング時にフェース部の空気抵抗が少ないことがよくわかります。とはいえＯ３シリーズの空気抵抗が少ない感じではなく（Ｏ３の場合大きな穴があるためトップが走る感じがイマイチなく自分の力で最後まで振り抜くイメージ）ヘッドの重みを感じながらも空気抵抗が少ないのでＯ３シリーズよりも加速して振り抜ける感じでした。

フレームもかなり剛性が高いのか、ボールのスピードは確実に上がります。ですがラウンド形状のようなインパクト直後に弾き出す感じではなく、大きなしなりは感じないものの一瞬つかんでその「しなり戻り」で飛ばすといった感じ。この「しなり戻り」のリアクションが早く・強靭で自分の想像以上にボールにパワーを持たせてくれるので自然とスピードＵＰにつながっているように思いました。ストリングパターン18/18くらい密でないとおそらく飛びすぎてコントロールできないようにも思います。このフレーム性能だからストリングパターン18/18なのだと納得でしたね。

フレームの剛性がたかいのでボールの伸びはよく、合わせただけでも十分威力のあるボールが飛ぶ印象で、だからと言ってラウンド形状によくありがちな球離れの早さはなく、しっかりと掴み感・乗り感はあります。18/18のストリングパターンの影響もあってか、面を感じやすく方向のコントロールもつけやすいイメージしやすい印象でした。以外なようですが、ボレーの感触はストロークよりも良かったように思います。もちろん打球感も硬い印象はなく手には優しいいかんじでした。

実際のゲームでは、しっかり構えて打った時のボールのスピードは１．５倍増しに感じるくらいスピードが出ます。スライスにおいてはゆっくりしたスイングで乗せて運ぶイメージで行くと少し球離れが早く乗り切る前に飛んでいき難しかったですが、結構強めにカット気味にラケット入れていくとちょうどかみ合い、びっくりするスピードで飛んでくれました。あとは、ストリングが密なためスナップバックが起きにくいので、ひっかけるようなショットは引っ掛かりにくく回転もかかりにくい印象で・スピン系主体のプレーヤーは高軌道のショットをイメージしにくいと思います。どちらかといえば、フラットドライブでガンガンフォアストロークを打って押し込みたい方、テンポとボールスピードでどんどん時間を奪っていくような戦術の方にはよいのではないでしょうか？

サーブに関しては、このラケットに変えるだけでスピードは上がります。回転はかけにくいですが、こちらもフラット系でしっかり打ち込みたい方にはよいのではないでしょうか。

競技モデルの中でもスピード・振り抜きに特化したモデルといえます。かなりユーザーは絞られるとは思いますが、逆に言えば他メーカーにはない特徴的なスペックですので、一度試してハマれば手放せないアイテムになると思います。